電力線通信の研究を進めてきた総務省は、今度は可視光通信の研究を始めるらしい。
可視光通信は次のようなものだ。
電力線通信につないだ照明器具から出る光にネットの情報を載せる。光の届く範囲に送受信機がついたパソコンを置き、配線コードなしで高速のインターネットを利用する。(毎日新聞)


考えられる利点は、
通信線が不要!
 無線通信なので通信線がいらない。

通信可能範囲が一目瞭然!
 可視光を用いた通信なので、通信可能範囲が見える。
 従来の無線通信のように、専用機器等をもってうろつかなくてもいい。

指向性!
 電波以上に強力な指向性を持つので、通信範囲を限定しやすい。

板などで通信を遮ることができる!
 通信区画を分けたい場合、間に板を置くだけで簡単に分けられる。

医療機関などでも使用可能!
 電波を使わないので、医療機器などへの影響を最小限にできる。

といったところだろうか。
確かに便利だ。


しかし、うまく実現できるのだろうか。


考えられる問題点は、
既存の照明器具は送信専用!
 既存の照明器具に光を受ける装置はない。
 そのため、送信しかできない。
 受信の仕組みを備えた照明器具、または、既存の照明器具と組み合わせて使用する受信機器の開発が必要。

通信可能時間が連続ではない!
 一般の電灯は電源に合わせて50Hz(東日本)/60Hz(西日本)で点滅している。
 可視光通信なので、ついているときしか通信ができない。

野外や日当たりのいい部屋では使えない!

望遠鏡などで簡単に通信を傍受できる!
 灯火管制が必要!?

デスクトップパソコンなどでは無意味!
 電力線通信の応用として可視光通信があるわけだから、電力線通信の環境が整っている。
 デスクトップパソコンなどはコンセントから電気をとるので、そのまま電力線通信を行った方が余分な機器もいらないし安定するはず。

考えればまだまだ出てくるだろう。
問題は山積みだ。



さらに気になるのが、
「政府は10年度までに全国各地で高速通信を可能にする「ブロードバンド・ゼロ地域解消」を掲げており、こうした新技術を開発し、目標達成を目指す。(毎日新聞)」
この目的なら、可視光通信よりWiMAXの方がよっぽど役に立つと思う。



Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - 総務省 「可視光通信」実現に向け27日に研究会を発足
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061124-00000096-mai-bus_all